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2. 名詞の性と数 (Gender & Number)

アラビア語の名詞には、(男性・女性)と(単数・双数・複数)の区別があります。形容詞などもこれに合わせて変化するため、名詞の性と数を理解することは文法の第一歩です。

語尾のタンウィーンについて

このページの例では、名詞を不定・主格の形(語尾が -un)で示します。كِتَابٌٌ は「不定であること」と「主格であること」を同時に示す記号です。

まだ 1. 格変化 を読んでいない場合は、先にそちらに目を通してください。

名詞の性 (Gender)

アラビア語のほとんどの名詞は、男性名詞か女性名詞のどちらかに分類されます。

女性名詞 (اِسْمٌ مُؤَنَّثٌ)

女性名詞は見分けるのが簡単です。多くの場合、以下の特徴があります。

  1. ター・マルブータ (ة) で終わる これが最も一般的な女性名詞の目印です。

    • 例:
      • مَدْرَسَةٌ (madrasatun) - 学校
      • سَيَّارَةٌ (sayyāratun) - 車
      • طَاوِلَةٌ (ṭāwilatun) - 机、テーブル
  2. 女性の名前や、意味的に女性を指す単語 ター・マルブータ(ة)がなくても、意味的に女性である単語は女性名詞です。

    • 例:
      • أُمٌّ (ummun) - 母
      • بِنْتٌ (bintun) - 女の子
      • زَيْنَبُ (Zaynabu) - (女性名)ザイナブ
    زَيْنَبُ にタンウィーンが付かない理由

    多くの固有名詞は二段変化名詞(タンウィーンを取らない名詞)です。زَيْنَبُزَيْنَبٌ にならないのはそのためです。詳しくは 中級 14. 二段変化名詞 で扱います。

  3. ペアになっている体の部分 目、耳、手、足など、体に2つあるものは女性名詞として扱われます。

    • 例:
      • عَيْنٌ (ʿaynun) - 目
      • يَدٌ (yadun) - 手
      • أُذُنٌ (udhunun) - 耳
  4. 一部の例外 ター・マルブータ(ة)がなくても女性名詞として扱われる単語があります(例:地名、太陽など)。これらは少しずつ覚えていきましょう。

    • 例:
      • شَمْسٌ (shamsun) - 太陽
      • أَرْضٌ (arḍun) - 地球、地面

男性名詞 (اِسْمٌ مُذَكَّرٌ)

上記の女性名詞の特徴に当てはまらない名詞は、基本的にすべて男性名詞です。

  • 例:
    • كِتَابٌ (kitābun) - 本
    • قَلَمٌ (qalamun) - ペン
    • بَيْتٌ (baytun) - 家
    • مُحَمَّدٌ (Muḥammadun) - (男性名)ムハンマド

名詞の数 (Number)

アラビア語の大きな特徴として、名詞の数が単数 (singular)双数 (dual)複数 (plural) の3種類に分かれます。

単数 (مُفْرَدٌ)

1つのものを指します。辞書に載っている基本の形です。

  • 例:
    • طَالِبٌ (ṭālibun) - (一人の)男子学生
    • طَالِبَةٌ (ṭālibatun) - (一人の)女子学生

双数 (مُثَنَّى)

2つのものを指すときに使う形で、単数形の語尾を変化させて作ります。

  • 作り方:

    • 単数形の語尾に ـَانِ (-āni) を付けます。
    • ター・マルブータ(ة)で終わる女性名詞の場合は、ةتに変えてから ـَانِ を付けます。
  • 例 (男性名詞):

    • كِتَابٌ (kitābun) → كِتَابَانِ (kitābāni) - 2冊の本
    • طَالِبٌ (ṭālibun) → طَالِبَانِ (ṭālibāni) - 2人の男子学生
  • 例 (女性名詞):

    • سَيَّارَةٌ (sayyāratun) → سَيَّارَتَانِ (sayyāratāni) - 2台の車
    • طَالِبَةٌ (ṭālibatun) → طَالِبَتَانِ (ṭālibatāni) - 2人の女子学生
双数には「もう1つの形」がある

上の ـَانِ主格(「〜が」)の形です。対格・属格では ـَيْنِ (-ayni) に変わります。

役割
〜が(主格)ـَانِكِتَابَانِ kitābāni
〜を(対格)・〜の(属格)ـَيْنِكِتَابَيْنِ kitābayni

قَرَأْتُ كِتَابَيْنِ(私は2冊の本を読んだ)のように、目的語になれば ـَيْنِ です。詳しくは 1. 格変化 を参照してください。

複数 (جَمْعٌ)

3つ以上のものを指します。複数形には規則複数不規則複数の2種類があり、少し複雑です。

1. 規則複数 (جَمْعٌ سَالِمٌ)

語尾を変化させるだけで作れる複数形です。男性と女性で作り方が異なります。

  • 男性規則複数 (جَمْعُ مُذَكَّرٍ سَالِمٌ)

    • 作り方: 単数形の語尾に ـُونَ (-ūna) を付けます。主に人を表す男性名詞・形容詞で使われます。
    • 例:
      • مُعَلِّمٌ (muʿallimun) → مُعَلِّمُونَ (muʿallimūna) - (複数の)男性教師
      • مُهَنْدِسٌ (muhandisun) → مُهَنْدِسُونَ (muhandisūna) - (複数の)男性エンジニア
  • 女性規則複数 (جَمْعُ مُؤَنَّثٍ سَالِمٌ)

    • 作り方: 単数形のター・マルブータ(ة)を取り、ـَاتٌ (-ātun) を付けます。
    • 例:
      • مُعَلِّمَةٌ (muʿallimatun) → مُعَلِّمَاتٌ (muʿallimātun) - (複数の)女性教師
      • سَيَّارَةٌ (sayyāratun) → سَيَّارَاتٌ (sayyārātun) - (複数の)車
規則複数にも「もう1つの形」がある

双数と同じく、規則複数も役割によって形が変わります。

種類主格(〜が)対格・属格(〜を・〜の)
男性規則複数ـُونَ -ūnaـِينَ -īna
女性規則複数ـَاتٌ -ātunـَاتٍ -ātin
  • الْمُهَنْدِسُونَ فِي الْبَيْتِ(エンジニアたちは家にいる/主格)
  • رَأَيْتُ الْمُهَنْدِسِينَ(私はエンジニアたちを見た/対格)

女性規則複数は対格でも -an にならず -in になる点に注意してください。

2. 不規則複数 (جَمْعُ تَكْسِيرٍ)

単語の形が大きく変わる不規則な複数形です。「壊れた複数形」とも呼ばれます。 これは一語一語覚える必要がありますが、アラビア語では非常によく使われます。

  • 例:
    • كِتَابٌ (kitābun) → كُتُبٌ (kutubun) - (複数の)本
    • بَيْتٌ (baytun) → بُيُوتٌ (buyūtun) - (複数の)家
    • رَجُلٌ (rajulun) → رِجَالٌ (rijālun) - (複数の)男性
    • طَالِبٌ (ṭālibun) → طُلَّابٌ (ṭullābun) - (複数の)男子学生

不規則複数は形こそ大きく変わりますが、格変化は単数と同じです(كُتُبٌ / كُتُبًا / كُتُبٍ)。覚えるのは形だけで、語尾の規則は新しく増えません。

ポイント: 人間以外の複数形は、文法上「女性・単数」として扱われることが多いです。هَٰذِهِ الْكُتُبُ جَدِيدَةٌ(これらの本は新しい)のように、指示代名詞も形容詞も女性単数形になります。詳しくは 5. 指示代名詞 を参照してください。