アラビア文字28文字の覚え方 ─ 形が変わる仕組みから入る
最初、僕は28文字を1文字ずつ暗記しようとしました。
アリフ、バー、ター、サー……と唱えながらノートに書いて、10文字目くらいで崩れました。
崩れた理由は、あとから分かりました。似た形の文字を、別々のものとして覚えようとしていたからです。
また、文字も知らない状態でDuolingoでアラビア語を始めた時、全部の文字を覚えるまでに相当な時間のレッスン数をこなさなければなりませんでした。
確かにDuolingoのやり方で確実に文字が身につきましたが、より効率的な時間の使い方があっただろうと今になって思います。
アラビア文字には、1文字ずつ覚えるより圧倒的に楽な入り方があります。この記事はその話です。
28文字は、28個の形ではない
まずこれを見てください。
ب ت ث3文字ありますが、骨格は完全に同じです。違うのは点だけ。
- ب = 下に点1つ(b)
- ت = 上に点2つ(t)
- ث = 上に点3つ(th)
同じことが、あちこちで起きています。
| 骨格 | 文字 | 違い |
|---|---|---|
| ボウル型 | ب ت ث | 点の数と位置 |
| フック型 | ج ح خ | 点なし/下1/上1 |
| 半円型 | د ذ | 点なし/上1 |
| 曲がり型 | ر ز | 点なし/上1 |
| 山型 | س ش | 点なし/上3 |
| 輪型 | ص ض | 点なし/上1 |
| 輪+棒 | ط ظ | 点なし/上1 |
| 耳型 | ع غ | 点なし/上1 |
| 丸型 | ف ق | 上1/上2 |
数えてみると、覚えるべき骨格は18個ほどになります。28個ではありません。
しかも点は、位置が上か下か、数が1〜3個か、それだけです。ルールが単純なので、骨格さえ入れば残りは差分で覚えられます。
語頭・語中...?? 🤔➡️💡 4つの形は、4種類の文字ではない
次につまずくのがこれです。
同じ文字が、単語の中の位置によって見た目を変えます。
عـ ـعـ ـع ع左から、語頭・語中・語尾・独立。全部「アイン」です。
初めて表を見ると「4倍覚えるのか」と思いますが、そうではありません。形が違うのではなく、つながる位置が違うだけです。
日本語の手書きで、続けて書くと字がつながるのと同じ感覚に近い。慣れると、どれも同じ文字にしか見えなくなります。
ここは理屈で納得しようとせず、単語を眺めているうちに勝手に見えてくる、と思っておくのが早いです。
詳しくは28文字とその形で解説されています。
後ろにつながらない6文字だけ、先に覚える
例外がひとつだけあります。
次の6文字は、後ろの文字とつながりません。
ا د ذ ر ز وこの6文字が出てくると、単語の途中でも文字列が切れます。
初学者が「ここで単語が終わったのかな」と勘違いするのは、たいていこの6文字のせいです。逆に言えば、この6文字を知っているだけで単語の切れ目が読めるようになります。
28文字のうち、優先して覚える価値があるのはこの6つかなと思っています。
最大の関門は、母音が書かれないこと
28文字はすべて子音です。
母音は文字の上下につける小さな記号で表します。
- بَ ba(上に斜め線)
- بُ bu(上に小さい輪)
- بِ bi(下に斜め線)
- بْ b(母音なし)
母音は a i u の3つだけ。日本語の「え」「お」に当たる母音は、原則としてありません。ここは日本語話者にとって朗報だと思っています。
問題はここからで、実際の新聞や本には、この記号が書かれません。
子音の並びだけを見て、文脈から母音を補って読むことになります。
無茶に聞こえますが、日本語で「日本橋」を「にほんばし」と読むか「にっぽんばし」と読むか、文脈で決めているのと同じことだと思います。慣れるまでは、ハラカ付きの教材で読めば大丈夫です。
学習用の教材にはちゃんと記号が振ってあるので、最初はそれを読めば大丈夫です。母音記号(ハラカ)と長母音で扱っています。
2週間の練習メニュー
1日10分、2週間でアラビア文字マスターする理想的プランを紹介しておきます。
1週目:見分ける
- 骨格グループを1日1つずつ見る(上の表の順で)
- 点の位置と数だけに注目する
- この段階では音は完璧でなくていい
2週目:単語の中で読む
- ハラカつきの短い単語を、声に出して読む
- بَيْت(家)、كِتَاب(本)、مَدْرَسَة(学校)あたりから
- 意味は覚えなくていい。読めるかどうかだけ
これで「見て音が出る」状態になります。文法に進むには、これで十分かなと思います。
1日10分と書きましたが、続かない日があっても気にしないでください。文字は結局、目にした回数で入ってきます。1日空いても、次の日にまた眺めれば大丈夫です。(過去の自分、僕のように継続完璧主義な人に言いたい。。)
よくある失敗3つ
1. アルファベット順に1文字ずつ覚える
順番に意味はありません。骨格でまとめたほうが速いです。
2. 最初から書けるようになろうとする
手書きは楽しいですが、読解の役に立つのはずっと後です。僕は最初に手書きに時間をかけて、そのぶん読むのが遅れました。書くのは、読めるようになってからで間に合います(手書きのコツはそのときに)。
3. 似た音を放置する
س と ص、ت と ط は、日本語だと同じ音に聞こえます。でもアラビア語では別の文字で、意味も変わります。
最初に「この2つは違う音だ」と知っておくだけで、あとの聞き取りがかなり変わってくると思います。日本語話者のための発音ガイドに、どこがどう違うのかがまとまっています。
今日やること
28文字とその形を開いて、上から眺めてください。
覚えようとしなくていいです。「点が違うだけの文字が多いな」と思えたら、今日はそれで十分だと思います。